僕のマイバックページ

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ボブ・ディランが1964年に発表したマイ バック ページという楽曲がある。1995年に真心ブラザーズが『KING OF ROCK』の中でカバーしてたから、日本語訳のほうが耳に残っている。少し気になって、今になって原曲の歌詞を確認してみた。

Crimson flames tied through my ears Rollin' high and mighty traps

歌い出しからイメージと違う。YO-KINGが書いたと思われる和訳は

白か黒しかこの世にはないと思っていたよ 誰よりも早くいい席でいい景色が見たかったんだ

・・・だった。blackとかwhiteとか出てくる箇所から逆に探してみると、2番の歌詞に該当する箇所があった。

Lies that life is black and white Spoke from my skull. I dreamed

直訳すると「人生は黒と白だという嘘を 私の頭蓋骨がしゃべる夢をみた」で、YO-KINGによる歌い出しと比べるとなんだか味気ない。サビを確認すると

Ah , but I was so much older then , I'm younger than that now.

・・・とあり、これは忠実だった。いよいよ止まらなくなって一言一句照合してみたのだが、僕を好きだと言ってくれた女たちも、僕を素晴らしいと言ってくれた男たちも、穴の空いた財布も、厳密には出て来なかった。

これが英語の試験問題だとしたら、教師は間違いなく不正解を与えるしかないだろう。でも、芸術の世界ではこれが大正解。クレジットは作詞作曲ボブ・ディランのまま。あくまでカバーとして発表しているのも潔い。よく見てみると原曲は『My Back Pages』でページが複数に渡っており、カバーは単数形だからボブ・ディランの1ページをあくまで切り取ったという意思があったのかも知れない。まったくの偶然かも知れない。

18歳のときはじめて聞いた真心のマイ バック ページ。こうして何度も振り返れることこそ、ボブ・ディランが歌っていたこと。YO-KINGが歌い継いだこと。大切な僕の1ページ。