時間も磁力で戻せればいいのに。

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磁石について調べていたら、残磁現象という言葉と出会った。物質に磁性が残ってしまう現象のことなのだが、これを消す方法が三つあるらしい。交流を流したコイル内を通過させる、交番磁界を当てる、再結晶温度まで加熱する。最初の方法が最も一般的で、簡易的に適える消磁器という道具があることもわかった。使用上の注意には、こう書いてある。


「使用方法を誤りますと逆に磁化してしまう場合があります。」

人間にも「シビれる」という慣用句があるが、シビれたあとの感覚が磁性のように残ることがある。残ってしまった場合には、対象の虜になり続けるしかないと考えていた。でも、残磁現象として考えると、三つの方法で消すことができる。コイル内を通過するとは、即ち経験の輪をくぐり抜けること。交番磁界を当てるとは、新しい恋に落ちること。再結晶温度まで加熱するとは、輪廻まで待つこと。そんなことを考えているうちに、時計の針は14時47分を回った。時間も磁力で戻せればいいのに。