2010年9月から、2013年10月まで。フイナムブログに書いたこと。

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フイナムがはてなブログ連動になりました。古い記事とのリンクがいったん切れてしまうということだったので、とりあえず過去の記事をまとめておきました。無機質な抜粋ですが、一応、時系列になっています。

 

2011年

"考えてみれば、役者はプレイヤーであり、インターフェイスでもあります。ユーザーであるところのお客さんに最も近い位置にいる。もしかしたら、難しいテーマをしっかりおもしろく伝えることが出来るのは、その言葉選びをできるのは役者なのかも知れない。"

「ものを作らなソンやと思わへん?」から始まる「虚業」について  2011.01.22

 

"精神病を患っていた人が、癌レベルの重い病気を患って、うっかり精神病が治ることがあるのですが、僕は花粉症を患うことで、一人で何も考えずボーっと何かを見たり考えたりする余白を与えられた気がします。

"花粉症と僕。 2011.02.27

 

"ホワイトバンド、かんぴょうだったら良かったのに。

"ユーモアの拡張について  2011.03.21 

 

"不純物の対義語はないらしい。不純だ"

どついたるねんのデビューアルバムが出ました。2011.06.08

 

"プロトコルとは何か、簡単に説明すると、それは通信する上での約束事です。電話するにも、メールするにも、検索するにも、プロトコルは必要です。逆に言うと、プロトコルのあるものとは通信することができる。僕は、映画という装置にプロトコルを与えることで、物語の向こうと現実をつなげられないかと考えました。"

「映画」から始まる「プロトコル」について  2011.07.01

 

"物語りシロとは何か。物語を参照している人がその物語について語りたくなる入口から出口までの面積です。"

空間と物語の関係性とミシンと発明家について。2011.07.22

 

"転々と転職を繰り返したあと、AR三兄弟という職を自ら作ってはたらいている。"

「無職」から始まる「転職」について  2011.08.04

 

"ある時代における翻訳家というのは、同時にコピーライターとしての役割も担っていた。"

「本末」から始まる「転倒」について  2011.08.16

 

"僕はいま、縦に進むべくボタンを押している。横になったままなので、うっかり横に進んでしまうのかも知れない。"

「縦」「縦」「横」「横」から始まる「縦」について 2011.08.18


2012年

"まとめサービスが人気ですね。まとまりのなさがインターネットの面白いところですが、それをまとめることで分類・整理・整頓しようとする動きは、原理的な知識欲求に回帰しているようでもあり、編集者としての視点を養うようでもあり、編集者という仕事を脅かすようでもあり。"

まとまりのない話をまとめる話。2012.02.02

 

"何度でも言います。ファッションは、浮ついた存在であって欲しい。僕は浮ついた気持ちで、それをカタチにします。"

ファッションは、浮ついた存在であって欲しい。 2012.04.06

 

"二度寝三度寝繰り返すたび、夢の色は薄れてゆく。それは疲労の色かも知れない。休んでいるうちに点滴の味を思い出した。ポカリスエットを薄くしたような味だった。"

休日からはじまる点滴の味について

 

"法人格から人格が伝わってこないように、法に触れたものは片っ端から感情を失ってゆく。"

逃亡と生活とダイエット、要するに流行について考える。2012.06.05

 

"パジャマを着て、町へ出た。それはまるで夢だった。夢の住人は、僕に注目するそぶりもなく、日常をただ淡々と過ごしていた。そこで僕は、幽霊のようだった。幽霊のように、ただ彼らの生活を観察した。"

パジャマを着てよ、町へ出よう  2012.06.12

 

"プロフェッショナルだからできる本質残しの引き算。子供に難解を容易にするシンプル設計。どうぶつディフォルメ。子供と大人が垣根なく一緒になって遊べる。全てが完璧ではないか。"

山田を軸にして考える、どうぶつしょうぎについて。2012.06.13

 

"未来から教師を探す必要があります。どの本屋にいっても、学校にいっても、しっくり来ないあなた。年下の声に耳を傾け、友人をつくって、その中から教師を見つけてみてはいかがでしょうか?"

年下の友人は、未来から来た教師である。 2012.06.23

 

"劇作家の個性というのは、起承転結の時間配分だし、構成能力だし、破壊力だなとも思いました。"

上田を軸にして考える、プライマリースクール・ウォーズについて。 2012.07.04

 

"そして場面はいよいよ夏希のおばあちゃんの栄が亡くなって家族が悲しみに打ちひしがれているシーンへ。事もあろうか、このとても大切なシーンで、ずけずけとクイズへの誘導のテロップが表示されたのです。これは最もやってはいけないことだと、心から思いました。"

サマーウォーズを軸にして考える、JoinTVについて。 2012.07.21

 

"未来を先んじて可視化することは、とても勇気のいることだ。間違っているかも知れないことに、多くの人のお金と期待を背負う。そこには大きな責任がともなう。"

未来を可視化してくれる人は、やっぱり偉大だ。 2012.08.02

 

"手紙を書いた人が自分の声でそれを読み上げる。それが手紙に添付できるって、とてもいいことですね。"

次男にはじめて手紙を書きました。三男からはじめて手紙をもらいました。2012.08.06

 

"たとえば、好きな小説は何度も繰り返し読む。物語の中の時間は変わらない。自分は年を取る。視点と焦点が、以前読んだときと違う。分からなかったことが分かる。分かってたことが分からなくなる。メディアというものは、それを取り巻くテクノロジーというものは、こういう情感めいた根拠に対して寛容でなければならない。"

ジオメディアを研究するまえに、土地の力を知ろう。2012.08.10


"やがて実家を出るとき、親はこれまで大切に撮り貯めてくれたであろうアルバムを、簡単にもっていけという。子供にも代わりに渡すものがあればもらってゆくが、何もない。簡単にもらえない。「要らないよ」って、少し強く言ってしまう。"

子供に写真を撮ってもらいました。2012.08.26

 

"たとえば、鞄を新しくします。いままで使っていた鞄に入っていたものの中で、必要なものだけを新しい鞄へ移します。これによって生まれた余白には、新しい生活で必要となる道具を与えます。ちょっとした旅行気分が不意にやってきます。"

旅の発明、それは日常を旅みたいにする道具の発明。2012.09.20

 

"今朝起きたら眼鏡が枕元にありませんでした。いろいろ探して、結局あったのは冷蔵庫の中でした。キンキンに冷えた眼鏡をつけた僕は、いつもよりも冷ややかな目でインターネットを見つめました。"

AR三兄弟を軸にして考える、パロディとセルフパロディの違いについて。2012.10.04

 

"コピーのコピーのコピーでやっと商売になるんだみたいな、つまらない物言いを身体がおぼえる前に、自分自身で劣化しないコピーの仕組みを作っておくことにした。"

平場に立ち続けるということ。2012.10.13

 

"指揮者というのは、映画監督とは違う。指揮をしながらにして、楽団全員の感情を背負って、自らが役者のように振る舞いながら、音楽に血脈を与えている。それは、観客の感情の起伏をも受け入れ、会場まるごと指揮することでもある。音楽に命を与えることであるし、奪うことでもある。"

指揮者が指揮しているものは、何か。2012.10.25

 

"雨の日の公園は、美しい。それだけ書かれたメモを読み返して、思い出した。そう、僕は雨の日の公園が好きだった。弱きもの、でも正しいもの。その他愛もない想像を宿せる公園が、この世でいちばん美しいと思った。それを、思い出した。"

雨の日の公園は、美しい。2012.11.10

 

"これ以上の説明は省きます。ユーモアは本来、説明するものではないからです。"

軽いものを重く見せようとする人にも、重いものを軽く見せようとする人にも、ブランドの概念がある。  2012.12.30



2013年

"やがてエンジニアとして出世する息子を、美輪明宏は歌いながら演じきっていました。それは、小手先の技術によるAR(拡張現実)なんかよりも、はるかに拡張現実と呼べるものでした。"

AR以前の拡張現実、ネット以前の双方向、過去につながる未来のこと。2013.01.02

 

"この残響音を頼りに、彼の怒りは何だったのかとぼんやり逆算していた。答えがわかった。"

小籔千豊の「イキるな」は、セルフブランディングの終了宣言だと解釈しています。2013.02.27

 

"道路標識の裏。目もくれず、矢印に沿って同じ方向をめざす人々。1mmの関心を寄せてもらえないものの存在。エスカレートする切実。どうすれば伝わるかなんて、考える余地はない。"

見過ごされまいとする異形のグラフティ 2013.03.04

 

"「自分ならこうする」は、あらゆる場面で持っておくべきだ。その「自分ならこうする」を、チャーミングに見せるべきだ。"

佐藤可士和がデザインしているものについて 2013.03.09

 

"僕のアイデアは、全部パクっていい。"

十年ぶりに、特許事務所に行って来た。 2013.03.29

 

"仮説が浮かんだ。ファンタジーの対義語は、グロテスクではないか。"
ファンタジーの対義語って、何だろう 2013.04.01


"絵本には、読み聞かせてくれる大人との時間と関係性が、すべて入っている。"
絵本と視線のお話  2013.04.02


"細切れになった現代の時間には、「→」(矢印)が常に存在している。それは、乗車している乗り物が向かう方角かも知れないし、進行方向から導かれる気分かも知れない。"
「→」の話 2013.04.19


エレファントカシマシが、生活というタイトルのアルバムを出したことがある。全く生活感のない、でも本当の生活について歌ったアルバムだ。
虚構のような生活、生活のような虚構。2013.04.27


"好きなバンドの話なんかもした。たまのファンクラブに入っていたとか、モールスが好きだとか。誰もが友人になる相手と最初にする、他愛もない話だ。"
まだ歌われていない世界のことを、彼は確かに歌った。2013.04.28


"顔を持つこと、隠すこと。表情を持つこと、保つこと。意識の玄関を持つこと、鍵を閉め忘れること。現実とは別に時計を持つこと。言葉を書き残すということ。"

言葉を書き残すということ。 2013.05.18

 

"国内旅行者と海外旅行者。求める質が異なるものの、旅行者であることは変わらない。日常会話では辿り着かない境地に、もれなく連れてゆかなくてはならない。チケットを購入して足を運ぶ映画の観客も、栞をはさんでまた同じ場所に来てくれる小説の読者も、同じ。小説を映画に翻訳する、映画を小説に翻訳する。プログラムビューでここを直せば、デザインビューのここが直る。"

観客のことを、意識の旅行者だと捉えてみる。2013.10.07


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フイナムは、ファッションに関する記事が多い媒体なのですが、そういう中にあって意識の塊のような文章を書き残すこと。わりと気に入っています。また不意に何か書き残すのだと思います。みなさま、よいお年を。